途上国の田舎生活、孤独を体験したことも悪くなかったかもと思い始めたNGO駐在5年目。
以前のブログで、途上国の田舎生活、寂しい。孤独を乗り越えるためにはどうしたらいいかについて書きました。
途上国の田舎生活ではともすると会話の数や笑顔が減り、引きこもりがちになり精神的に滅入ってしまうこともあります。
過去のブログでは、孤独であるという状態を認め孤独とどう戦うかという視点から、孤独とどう生きていくかと発想を変えることができるかが重要と言いつつも、どちらかというと「孤独への対処法」を書いていた気がします。
確かにいろいろな対処法を打つのは必要です。ただ今になって孤独と共に生き、ときには苦しい思いをしてよかったかもなと思い始めました。途上国生活の食事やインフラなどの表面的な投稿や記事は多いものの、そこで生活した人(特に田舎)の心境について綴った記事は少ないように思うので、今回のブログではなぜ悪くなかったかもと思うようになったか自分の考えを記しておきたいと思います。
続きを読む今回の一時帰国を通して思ったこと
2019年秋の一時帰国を通して思ったことを記しておきたいと思います。
まとめると自分はエリートではなく、弱い人間だということ。でも熱意と努力量だけでは他人に負けず、さらに周りの人を大事にし、助けられてきたことで、ここまでやってこれたと思います。奢らず、チャレンジャー精神を忘れず、周囲の人たちへの感謝の気持ちを忘れず、これから一歩一歩進んでいくために、一時帰国を通して自分に対して思ったことを書き記しておきます。完全にプライベートな内容ですが、言語化しておくことで自分の気持ちを明らかにしておきます。海外の草の根の現場で同じような思いを抱いている人とは共感できるかもしれません。
自分の嗜好について
1. 孤独は苦手
日本で大切な人と一緒にいたことで、あ、自分一人でずっと生活するの難しいわ、と思いました。パートナーや心置ける友人が近くにいることって幸せなことなんだなと強く感じました。
2. 勉強が好き
帰国中図書館にこもっていて思ったのが勉強が好きだということ。これだ、と思った論文に出会ったときや自分が知らない視点を知ったときにはワクワク感や恍惚感を味わうことができます。
3. うまいもんを食べたい
美味しいものを食べたい欲があります。でもそれを一人ではなく誰かと食べたいです。
4. お風呂好き
帰国中何度も行きましたが温泉とサウナが好きです。ずっとシャワーだけだと辛くなります。
自分の思考•行動パターン
1. 熱意がある
熱意が消えることなくやり続けることができます。今まで途上国の教育、大学院進学など、実現したい思いを持ち続けて一貫してやってくることができました。
2. 成長意欲(スキル獲得意欲)がある
もっともっと成長したいという意欲があります。特に研究手法や統計などのスキルを身につけたいという思いが強くあります。一方で指導教官には、博士論文の研究計画については、スキル獲得欲が先行していて研究関心が甘いと言われてしまいました。
3. できる人のそばにいたい欲がある
NGOの現場に来るというキャリア選択をしたのに、えっ?と思われるかもしれませんが、かなりいい環境(=優秀な人たちに囲まれた環境)にいたい欲があることがわかりました。成長意欲があることにも関係しますが、大学までそういった環境で育ったことから、できる人たちの元でいて刺激を受けたい、刺激を与えたいと思う気持ちが強いです。メンターのような人と一緒にいたいという欲もあります。
4. 未知の環境への好奇心があり
とはいえまだ見ぬ場所や環境を探索してみたいという思いもあります。これまでなぜ途上国のど田舎に住んだり、旅行したかというと、なんか楽しそう、ワクワクするという感覚がありました。
5. 移動してたい欲がある
一か所にずっととどまっているのが苦手で、どちらかというと、いろんな場所にぽんぽん動いていたいです。
6. 行動力、速動力
どちらかというと行動してから気づくタイプ。以前はそのスピードも早かったので、行動ー気づきー行動修正というサイクルをかなり早く回せていました。
7. 人との関係性を大事にする
一度会った人との関係性を保ちたいという思いが強いです。そしてその関係性ゆえに助けられたことも多く、周りの人の協力なくしては自分はここまでやってこれなかったと思います。
8. 短期で結果が見えるものにやりがいを感じる
帰国中GREの準備をしていたのですが、3週間みっちり勉強して点数という形で結果がわかるものに対して充足感を感じました。学校でのテストが得意だったのも、同じような価値観が影響しているのかなと思います。この様な価値観ゆえに、自分が満足していくためには長期的に成し遂げたい自分像や社会像があっても、短期的に定量化できる目標を細かく回していく必要があると思いました。
これまでの途上国の現場での気持ちの変化
上であげたような嗜好や思考・行動パターンを持つ自分は今までの途上国への渡航時どのように感じていたのか記しておきます。
渡航時: 好奇心満々、何か成し遂げて成長してやるという気持ちで途上国の現場に渡航。最初は途上国の現場で真新しい視点が得られめちゃくちゃ楽しく、生活もハリがある。
2~3か月後: 徐々に環境に慣れ、真新しさを感じなくなる。周りにモチベートしてくれる人がいないことや組織の硬直性やスタッフの能力のなさを言い訳に自分が成長を実感できないことを嘆く。
その後: プライベートでも孤独感を感じてしまい、徐々にネガティブシンキングになる。そのうち待遇面での不遇を嘆き、日本で素晴らしい仲間に囲まれていたり、いい生活をしている友人を羨むようになる。
自分に足りてない点
1. 草の根での経験を言語化する準備ができていない。
大使館やUN、JICA職員の方と比べてかなり草の根に近い場所で活動•生活しています。一方でパッとまとめて話すことができる引き出しをうまくまとめきれていません。せっかくなかなか人が経験できない場所にいるので、面白いストーリーやキーワードを整理しておく必要があるなと思いました。
2. 端的に話すのが苦手
日本に帰って友人たちは端的にポイントを話すのが上手だなと思いました。私は頭の中でまとまっていないまま話し始めたり、話す順序や文同士の論理関係の提示が苦手なようです。
3. 意固地なエリート意識に苛まれている
昔はトライアンドエラーで常にチャレンジャー精神を持っていましたが、最近は変なエリート意識を持ち始めていて、これが行動や言動を制限しています。学歴が邪魔をしているのかもしれないですが、何か自分は他人と違うんだ、と斜に構えてしまい一歩踏み出す足が重くなってしまってきているように思います。
4. アウトプットを怖がるようになっている。
上のエリート意識に苛まれていることも関係していますが、アウトプットが怖くなりました。元々どちらかというと完璧思考だとは思うのですが、変なエリート意識ゆえに否定されたくない•失敗が怖いと思うようになりました。チャレンジャー精神が欠け、可もなく不可もなくな面白みのない自分になっているような気がします。
今後どうしていくか
1. 思いを持ち続ける
思考は現実化する。これまで大学院出願、論文、やりたいと思ったことは実現してきました。日本で安定だけ求めていればそういう人生になるし、もっと大学院で勉強したいと思うのであればそういう人生になると思います。目標を持ち続けて、やりたいことを実現していきます。そしてその思いを人に伝えることで、よりその思いを強くしていきたいです。
2. 長期的な目標と短期的な定量目標を場合分け
短期的な定量目標があると持続して大きな目標に向かっていけることに気づきました。長期的な目標を持ちつつ、短期的な定量目標も持つことでモチベーションの維持を図り努力を続けていきたいです。
3. 積極的にアウトプットを
完璧じゃなくてもいい、間違ってもいい。自分の意見を伝え、発信したいと思います。アウトプットへのフィードバックや反応を怖がるのではなく、そこから学ぶことで成長したいです。現場で感じたことをまとめることで引き出しを増やしていくことにも繋がります。端的かつ明快に伝えることを心がけたいです。
4. 人の話に興味を持つ
ケニアでの同僚や隣人とは既に見知った関係ですが、改めてその人と会話をする余裕を持つことで、今ここにある生活を楽しみたいと思います。
5. ナイロビではリラックスする
恵まれたことにナイロビには気のおける友人がいます。ナイロビに行く時には友人と思いっきり美味しいものを食べ笑いたいです。ナイロビにはサウナがあるホテルやジャグジーがあるホテルもあるので、そこにはお金を惜しまず楽しみます。
6. 3ヶ月に一度は環境をガラリと変える
今まで行ったことのない街にいくのもよし、旅行するのもよし。3ヶ月に一度は短期間であっても少し移動して気分転換をします。3か月を待たずとも時間があれば、まだ行ったことがない場所へ旅してみたいと思います。
2019年TOEFL スコアの推移を分析する
最後だと思っていたTOEFLの結果が出ました。
結果は99。最後はあがることを期待していたのですが、初めての下落。
基準の100はすでに越えているのですが、いいスコアで出願するためにもう一度TOEFLを受けたいと思います。
以下が2月からのスコアの推移です。
スコアの特徴
・Readingは高水準をキープできている
・Listeningは思いのほかできていない
・Speakingはスコアが23以上上がりそうにない気配がする
・Writingはスコアが上昇傾向
実は9月のListeningの低いスコア以外は予想できた結果でした。
Writingの第2問Independentを長文で書くようにした結果、伸びました。
Speakingは定義と例の関係性をうまく話せるように意識しました(一方Independentでは大コケしました)。
今後の対策
WritingのIndependentの書く分量を増やし、質を上げる
SpeakingのIndependentタスクの練習を増やし、反射神経を鍛える
Speaking/Listeningを抜本的に改善する方法を調べる(Speakingは発音か?)
アンボセリ国立公園サファリ徹底解説
アンボセリ国立公園の周辺に2年以上住んでいる私がアンボセリ国立公園のサファリ情報を徹底的にまとめてみました。
アンボセリには友人が来る度に行っているので、10回以上は足を運んでいます。何度足を運んでも楽しいアンボセリ、是非皆さんに訪れてほしいです。
アンボセリ国立公園
ナイロビの南東タンザニア国境沿い、キリマンジャロの麓にある国立公園。
総面積392㎢、ヘミングウェイがキリマンジャロの雪を執筆した場所としても有名。
象が多く生息していて、キリマンジャロをバックにした象の大群が絵になります!
もちろんライオン、キリン、チーター、カバ、バッファロー、ハイエナなど一通りはいますよ。
天気が良ければ、朝はキリマンジャロの朝焼けにも心が洗われますし、夜は満点の星空にうっとりします。
キリマンジャロは富士山に似た円錐型であることから日本人観光客にも人気で、ザアフリカなサバンナの草原の景色の後ろに大きくそびえるキリマンジャロに酔いしれることでしょう。
ナイロビからの行き方
行き方は陸路か空路になりますが、空路は基本的に旅行会社やロッジのアレンジが必要になることが多いので、ここでは陸路の紹介をします。
ロッジの数が多く、一番時間がかからないのがキマナゲートに到達するルートです。
ナイロビからは230kmほどで、モンバサロードをナイロビからエマリという街までひたすら真っ直ぐ進みます。そこをロイトクトク方面に右折、またひたすらまっすぐ進みます。キマナという街を過ぎてShellを通り過ぎるとアンボセリ方面に進む道があるので、ここを右折するとアンボセリ国立公園のキマナゲートに到着します。
エマリの場所とキマナさえ覚えていけばあとはまっすぐ進んでいるだけです。
だいたい4時間半くらい、渋滞がなければノンストップで3時間半で着くこともあります。
モデルプラン
ナイロビからの1泊2日がメジャーなプランです。週末の時間があれば十分アンボセリを楽しめます。
1日目
8:00 ナイロビを出発
12:30 ロッジに到着、ランチ
15:00 サファリ開始
18:00 パーク閉園
19:30 ディナー
2日目
6:00 ブレークファースト、チェックアウト
6:30 モーニングサファリ
9:30 サファリ終了、ナイロビへ
2日目のランチをロッジで済ませてからナイロビに戻るというゆったりプランもいいですね。
基本的に日中は動物の活動が少なくなるので、夕方と早朝が狙い目です。
アンボセリの入場料は24時間有効なので、日にちをまたいでも同じチケットで国立公園に入れます。
旅行シーズン
7-8月と12-1月の初めがハイシーズン。ロッジの値段が倍以上になります。
この時期の値段が高くなるのは欧米人のホリデーシーズンに重なるからです。逆にローシーズンは4-6月あたり。ただローシーズンだからといって動物が見られないわけではありません。
気をつけたいのは天気。3月の後半から5月の後半が雨期、11月から12月の半ばまでも雨期なので、この時期はキリマンジャロが雲に隠れてしまうことが多いです。ただ最近少雨が続いているので、雨期なのに曇っても雨が降らないこともあります。逆に雨が降らない時期は乾季で埃がすごいので、埃対策は必須です。
また7-8月はかなり冷え込みます。ケニア=赤道直下=暑いと思って来てしまうと10度くらいまで下がる日がありびっくりします。標高も1500mと高いので、7-8月以外でも朝晩は冷え込むので気をつけてください。
料金
ロッジ代(昼夜朝ご飯つき) 100USD~
ナイロビからのサファリカー(2日) 約350USD
パーク入園料 60USD (外国人価格)or 1030 KES(レジデンス価格)
ドライバー入園料、車両入構料 1000KES程度
ドライバーの宿泊費 約1000KES
ロッジでの飲み物代 約20USD
(100KES=約1USD)
外国人価格で一人で旅行しようとすると1泊2日で最低550USDかかります。結構サファリはお金がかかるんです。
・ロッジ代
ロッジはパークの中にSerena lodgeとOl Tukai lodgeがありますが、この2つが一番豪華で値段が高いのですが、私はまだ試せていません。
いつも使っているのがKibo Safari Campというロッジ。キマナゲートのそばにあり、アクセスもよくおしゃれなテントのお部屋が売りの豪華なキャンプです。
マネージャーと友達ということで、いつも一人100USDで泊まらせてくれるため、友人が来たときは彼経由で予約を入れています。7月のハイシーズンは120USDに値上がりしましたが、逆に5月のローシーズンにはツインで一人80USDで泊めてくれました。朝昼晩全てビュッフェスタイルのご飯も嬉しく、誕生日の人がいればケーキをオーダーしておけば、スタッフがサプライズでケニア式のバースデーセレブレーションもしてくれます。
・サファリカー代
ナイロビからの移動が一番お金がかかります。旅行会社に頼むと2日でサファリカーが350USD程度かかるそうです。
ナイロビからNAEKANAというマタトゥ(片道600KES)で私が住んでいるロイトクトクまで来て、ロイトクトクから1泊2日でサファリカーを貸し切ると10800KES(ドライバー入園料、車両入構料つき)という破格でアレンジできますが、かなりレベルが高いので、ナイロビからサファリカーでアンボセリまで行ってしまうのが一番良いと思います。1人ではなくて何人かで来た方がサファリカー代を割れるので一人当たりの負担が減りますよね。
・パーク入園料、ドライバー入園料、車両入構料
アンボセリに入園する際に支払います。気をつけないといけないのが、クレジットカードまたはM-pesa(ケニアの電子マネー)のみの支払いになります。
またドライバー入園料、車両入構料、ドライバーの宿泊費はナイロビで車を貸し切る際に誰が負担するのか確認しておくといいと思います。
役立つ情報
・基本的にアンボセリ国立公園内では車の外に出ることはできませんが、オブザベーションヒルという丘のみ外に出ることができます。この丘からアンボセリを一望することができるので、一度行ってみるといいと思います。ただキマナゲートから少し距離があるので、閉園ぎりぎりには行かない方がいいです。
・ロッジが手配するサファリカーはドライバー同士が無線で動物の目撃情報を交換しています。旅行会社がアレンジする車やロッジ経由でサファリを予約する場合はそういったサファリカーが使えるのですが、割高(Kibo Safari Campでは1日200USD)なので、そういった車のドライバーに動物の目撃情報を聞きましょう。おしゃべり好きのケニア人は惜しげもなく教えてくれます。
・Serena lodgeとOl Tukai lodge以外はパークの外にホテルがあるので、18時の閉園時間までに出ないといけません。ただ暗黙の了解で18時半くらいまでは大丈夫というようになっていて、18時を過ぎても多くのサファリカーが残っています。私は一度18:45に出たことがありますが、何も言われませんでした。
Tsavo west parkに行った時に一時間くらい遅れてこれはやばいかなと思っていたのですが、友人が病気でゆっくり運転せざるを得なかったと言ったら通してもらいました。タイヤがパンクしたなど適当な理由を話してしれっと出ていきましょう。真面目に対応していたら汚職職員にお金を要求されますよ。
・マサイの集落を訪れた際や道中に子どもたちにお金やお菓子をねだられることがあるかと思いますが、ローカルでコミュニティ開発をしている身としては渡すのは避けていただきたいなと思っています。欧米人は結構渡しているのですが、子どものときから、外国人=何かをくれる人たちという意識が身に着いてしまうと、将来援助に依存し、自分たちで村を良くしようという意識を持った人が生まれにくくなってしまいます。
特に観光客が良く来るアンボセリの周辺はそういった意識を持った人が多く、いかに外国人にいい顔をして援助やお金をもらうかを常に考えています。
まとめ
日本からケニアに来る場合は航空券代も高く、アジアに比べて観光するには出費がかさみますが、アンボセリは人生に一度は訪れておきたい素晴らしい場所です。サファリで珍しい動物を見つけるのと同時に、雰囲気の良いロッジでの食事や滞在も楽しめます。是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。