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【汚職は文化?】ケニア人・ケニア社会を理解するための4つのキーワード

ジャンボ!

ケニアでは毎日が交渉の連続だということを前回の記事でお伝えしました。

今回はケニア人の価値観や考え方というより深層まで探っていきたいと思う。

一言で言うとcunning(ずる賢い)な人が多いケニアの人たち。

ケニア生活を続ける中でわかってきたケニア人を理解するための4つのキーワードを紹介するよ。

前回の記事についてはこちら!

kenyamatecchan.hatenablog.com

【注意】すべての人が以下で紹介するような汚職や不正にまみれているわけではないということは理解してほしい。

 

 

Corruption

コラプション(汚職)は日常茶飯事。

もちろんどこの国でもコラプションはある。

しかしケニアの場合は、目に見える形で日々起こる。

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  • 交通警官の賄賂
  • 仕事依頼への個人的な見返り、
  • レシートの偽造

またかよと思うくらい何度も起きると言っていいだろう。

そしてやった本人はけろっとしている。罪悪感がない。

ある人がCorruption is Culture(汚職は文化)ケニア人の前で発言した。

彼は表情変えずに聞いていたが、ケニア社会の中に汚職が染みついているのは確かだ。

しかし、たとえ文化だろうが汚職は立派な犯罪

汚職撲滅に力を入れている人や企業もあるようである。

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Tribalism

Tribalism(部族主義)はケニア社会の深い問題である。

自分たちの民族に利益を落とそうとする。

ケニアとしての結束よりも民族(キクユ、ルオ、マサイ族など)としての結束の方が強い。

聞いた話だが、国に対してのアイデンティティがないため、

税金をかっさらって自分たちの民族のために使うのは正義だと考える人もいるようだ。

税金を横領することは立派な犯罪、

一方で民族側の立場にたつとそのお金は民族の発展のために使われるから正義、ということになる。

 

”国家”としてのまとまりを強く感じない。

植民地化した欧米諸国が勝手に国境をひいたため国家アイデンティティが育っていないことも原因の一つだと言われている。

私の知り合いで開発プロジェクトに従事しているマサイ族がいる。

彼は50代後半で、ケニアが独立した1960年代生まれ。

幼少期はキクユ族中心の政治でマサイ族は開発の過程から取り残されてしまったと考えている。

そのためキクユ族に対してかなり強い反発意識がある。

彼は現在彼が携わっているプロジェクトが成功し、別の地域で展開できるとしたら、

ケニア国内ではなく、マサイ族がいるタンザニアでやりたいと発言していた。

マサイ族はケニアだけでなくタンザニアにも多く住んでいるが、

この発言は彼のケニアよりも自民族であるマサイ族を大事にしたいという価値観を表出するものであった。

 

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Nepotism

Nepotism(縁者びいき)もコラプションの一種である。

例えば団体のポジションが空いたり、新しく運転手を雇う必要があるときに、

基本的にその人の親族や民族、昔便宜を図ってくれた人やその知り合いが採用されることがよくある。

ビジネスでも政治でも同じ。

Who knows whoが大事。

権力を握っている政治家や組織のトップを知っていると仕事の便宜を図ってもらえるので、こういった人たちに賄賂が集まりやすいのは言うまでもないだろう。

Nepotismを発生させないためには、

  • 様々な民族でスタッフを構成する、
  • 採用の責任をケニア人のみに任せすぎない
  • 縁故ではなく実力ベースで人を採用する

ことが大事であろう。

 

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Conflict of Interest

日本語だと利益の衝突とでも訳せるだろうか。

個人の利益、と会社の利益や公益の衝突をいう場合もあるが

ケニアの場合、個人間の利益の衝突を指してこの言葉を使っていることが多いように感じる。

基本的に自分の利益が他人の利益とぶつかることを嫌がる。

また他人が自分の利益を奪おうとしたり、奪わないまでも不正だと指摘されることさえも嫌がる。

自分の利益取得の邪魔をされていると感じるからだ。

そのため、自分の利益に関わらない限りは

ケニアの人は他人が汚職をしていても、

汚職が悪いとわかっていても、

それを指摘することは少ないように感じる。

自分の利益が他人の利益とぶつかるのを避け、自分の利益は確保する。

そうやって生きているように感じるのだ。

 

まとめ

いくら上のようなキーワードがケニアに染みついていても、

会社のお金をポケットに入れたり、会社の事業を個人や民族の利益のために利用することは許されることではない。

繰り返すが、ケニアでも汚職や賄賂は立派な犯罪なのである。

説明責任を果たすためにもお金は適切に使わなければいけないし、

事業は個人や民族のためではなく、広く平等に届けなければいけない。

 

ケニア人はプライドが高く人前で指摘されるのを嫌うため、

仮に今回紹介したキーワードにまつわることが起こった場合は

個別でプライドを傷つけないように指導し改善を促すのが良いだろう。

継続的に伝え続けることが鍵だ。

一方ルールを厳格にすることで、

一度でもコラプションが発生したら即刻アウト(クビ)という対応でもよいかもしれない。

毅然とした態度を見せることでクリーンに仕事をさせることも大事なのだ。

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