海外でよくある好きなサッカーチーム談義について、私は清水エスパルス
今回の記事は海外でよくある好きなサッカーチーム談義について書いてみようと思う。
ケニアの田舎町で、よく聞くサッカーチームの名前が店名になっていたりする。
マンチェスターユナイテッドブッチャー(肉屋)
アーセナルカフェ
など、プレミアリーグの人気が根強いことをにおわせる。
ローカルな居酒屋の中にはプレミアリーグの放送日程を貼りだしている店もある。
地元の人(ほとんどが男)と話をしていると、お前はどこのチームのファンだ?
と聞かれる。
「俺はアーセナル」
「俺はチェルシー」
「俺はリバプール」
応援しているチームが同じだと妙な一体感が生まれる。
今までネパールやミャンマーなど様々な国でたくさんの人たちと会ってきたが、
この好きなサッカーチーム談義はコミュニケーションツールとして使える。
初めて会った人(ほとんどが男)とこの他愛もないサッカー談義をしてから話が広がっていくことがある。
昔は私も小学校から高校までボールを追いかけていたサッカー少年だった。
サッカーの試合は見ていたのだが、
いつも見ていたのは地元静岡のJリーグクラブ清水エスパルスだった。
Jリーグの話をしても相手はナニソレという表情をするので、
一時期リバプールが好きだといって一応会話を合わせていた。
2005年のUEFAチャンピョンズリーグ決勝。
前半をACミランに0-3とリードされたリバプールは後半3点差を追いつき
3-3としPK戦で見事勝利した(通称イスタンブールの奇跡)。
この試合のスティーブンジェラードのプレーに感銘を受けたのだ。
その後リバプールの試合をずっと追っかけていたわけではないので、ファンとは言えない。
でも会話を合わせるにはファンと言っておいた方が良さそうと判断し、
リバプールファンを自称していた。
大学を卒業し、英国の大学院に進学したとき。
下宿先の英国人のおじさんに好きなサッカーチームはあるのかと聞いてみた。
私は相手は英国人だから、サッカーも詳しいはず。
それに好きなチームは有名どころのチームだろうと踏んでいた。
しかし彼は、
「昔サマーセット州の5部リーグの○○というチームの大ファンだったんだよ、
今は引っ越してしまって試合を追いかけていないけど。」
と答えた。
私は
「自分はリバプールが好きだけど、プレミアリーグは見てないの?」
と聞くと
「全然見てない」
と答えた。
私はそのとき軽い衝撃を受けた。
- プレミアリーグがある英国だからといってみんながみんなビッククラブを応援しているわけではないということ
- ましてやみんながみんなサッカーに興味があるわけではないこと
- 英国の外にいる人たちはメディアで流れてくるビッククラブの存在しか知り得ないことが多いこと
- そしてその限られたゲームの結果に一喜一憂していること
- たとえ弱くても地元のチームを地元の人たちが応援し続ける姿がクールだということ
そのときからであろうか。
好きなサッカーチーム談義でリバプールというのをやめたのは。
サッカー自体は好きなので、プレミアリーグの試合の放送があったら地元の人と一緒に楽しみたいと思う。
一方で好きなサッカーチームは何と聞かれたら胸を張って、地元のサッカーチーム清水エスパルスと言えるようになった。
ここからは脱線するが、清水エスパルス愛について語る。
社会人になり以前に増して清水エスパルスの試合を追いかけるようになった。
エスパルスはサッカー少年団に所属していた私たちちびっこを日本平のエスパルスの試合に招待してくれたり、
エスパルスの試合が始める前に少年団同士の前座試合をさせてくれることもあった。
また近所に住んでいた故・真田雅則選手の自宅にサインをお願いに行くと快くサインに応じてくれることもあった。
振り返るとすごく地元に根差したチームだったんだなと感じる。
高校を卒業し、上京してから清水エスパルスからは離れていたけれど、
小さいときの記憶が蘇り、またエスパルスを応援したくなった。
今年は残留争いで苦しんだエスパルス。
でも最終節を勝利で締めくくってくれて自力で残留を決めてくれた。
テキスト速報で結果を追っていたが、勝利が決まった瞬間心からうれしかった。
J1で良い結果を残し続けるには、資金的な強化が必要なのはわかるし、
フットボール界全体でお金がモノを言うような世界になってきているのは避けられない事実ではある。
一方で地域に根差して地道に人々との関係を築き続けていくことも、大事なのではないか。
地元の人たちに支えられ愛されるチームってなんだか素敵だ。
小学生だったときに受けた清水エスパルスのぬくもりはいまだに私の心の中に残っている。
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